愛隣幼稚園

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『愛隣だより・6月の巻頭言』

木々の緑が雨に洗われてさらに美しく輝く季節を迎えました。新年度が始まってからこの間、子どもたちは新しい環境に少しずつ慣れ、色々なものが動き始めています。

6月の主題は先月に引き続き「おもしろい」です。月間聖句には「わたしの心は喜び、魂は躍ります。」(詩編16編9節)が選ばれています。「おもしろい」と感じるためには興味、関心、想像力といった物事をいかに見るかという力が必要です。先日、降園時間にお母さんが迎えに来て一度門を出た子どもが、職員室に何かを告げに戻ってきました。その子に着いて行くと、道路の電柱に奇妙な形と文様をした一匹の蛾が停まっているのです。私は「不思議」「気味が悪い」との思いを持ちましたが、その子は明らかに「おもしろい」との感情が優先しているかのように、終始嬉しそうな顔をしていました。自分が見つけたといった思いや、初めて見た喜びや、蛾そのものが持つ不思議さ、そのようなこまやかに心を動かすことが「おもしろい」と感じさせるのでしょう。八木重吉の詩に「かなしいのでもいい、よろこばしいのでもいい、こころはうごいておれよ。なまなましく、かんがえておれよ。」があります。生々しく、考え、動いている心が様々な「おもしろい」ものを子どもに与えてくれるのでしょう。大人は悲しいか、喜ばしいかが気になり優先しますが、子どもは細やかに動く心が大切なのです。動く心で沢山の「おもしろい」に出会って欲しいと思います。

(園長)