愛隣幼稚園

お問い合わせ

愛隣だより☆6月巻頭言☆

 新年度初日に新元号が発表され、5月1日に改元。天皇即位に伴う10連休もあって、あっという間に2ヶ月が過ぎたように感じます。元々、元号は中国に由来し、今では日本だけが用いているそうです。しかも元首の交替の時に必ずしも変えたわけではなく、天災などが起きた際に、気分を一新するために変えられたとか。それが明治に入って一世一元制になったというわけです。コロコロ変わるとややこしいですね。私の運転免許証には、ありもしない「平成32年3月23日まで有効」と記載されています。ちなみに運転免許証は誕生日の1ヶ月後まで有効ですから、すなわち私の誕生日は現天皇と同じ日なのです。
 愛隣幼稚園では元号ではなく、西暦を用います。キリスト教だからではありません。元号を用いることは天皇の治世(支配)に自らを位置づけることになるからです。役所に提出する書類も西暦でOKなのですが、私たちは無批判に同調させられているのです。
今は象徴天皇ですが、かつての天皇は現人神であり、その名のもとに悲惨な戦争が繰り広げられ、多くの尊い命が奪われたことを忘れてはなりません。神ならぬ者が神として賛美される時、人は過ちに陥るのです。新聞の投書に、令和の「令」に軍国主義の召集令状を連想したという年輩の方の声がありました。絶対服従を強いられる時、個の尊厳は踏みにじられていきます。異様なほどの改元一色ムードと、それを煽る報道に危うさを感じます。
 そんな中、色彩に富んだランドセルのCMに驚きました。ラン活が既に始まっているのですね。我が子は正月に帰省して祖父母に買ってもらったものです。しかも全員真っ黒。もはや男は黒・女は赤と、一色にしていくことは時代錯誤なのでしょう。
「息あるものはこぞって、主を賛美せよ」(主題聖句)。ちがいが認められ、全ての命が生き生きと喜びをもってハーモニーする、これこそ調和(語源ハルモニアは一致・連結)した社会なのです。(園長)