愛隣だより☆2026年6月巻頭言☆
2026年6月29日 投稿者:愛隣幼稚園
梅雨の季節は災害や健康被害をもたらす心配がある一方、田んぼなど農作物の生育にとっては欠かせない恵みの時です。私たちにとっては過ごしにくいとしても、それがあることによってかえって全体が益となることがあるように思います。「見よ、それは極めて良かった」という今月の聖句は、そのような神の祝福の世界を指し示しています。
先月参加した研修会で「聞こえない世界から見えてきたこと」と題した講演を聴きました。講師は耳が聞こえないろう者の両親の元に生まれ、聞こえる子どもとして育った聴者O氏(4月にTBS「情熱大陸」で放送)。O氏の父親は耳が聞こえないために単純な仕事しか任せられず、用事があると上司からネジを投げつけられて呼ばれていた、そんな話をO氏は高校生の時に聞かされ、衝撃と共に疑問を抱いたそうです。コミュニケーションがとれないという理由で、その人の力が発揮できない社会は不健全です。その一方、母親は前々からやりたいと思っていた喫茶店を始めます。ろう者に接客業は無理だと周りの人は思ったそうですが、客の理解と協力もあって、かえって集う者の笑顔が絶えない賑やかな店として地元のテレビで紹介されたほどです。そのような両親の元で育ったO氏は現在、ろう・難聴児に特化した放課後等デイサービスの運営に加え、企業への研修事業を行うなど、多くの垣根を乗り越え共存できる社会の実現のために働いておられます。講演で特に心に残ったことは、コミュニケーションを図るには相手の目をしっかり見ること、またコミュニケーションは共同作業であるがゆえに一方向的に「伝える」ではなく、「伝わる」ことの大事さです。保育の現場でも家庭でも、伝えたつもりで伝わっていないことがあると思います。どうすれば伝わり、つながり合えるのか「考えてみよう」(月主題)と、一人ひとりとの向き合い方が問われている思いがします。 (園長)


