愛隣幼稚園

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愛隣だより☆2024年2月☆

能登半島地震で被災された方々のために多くの人々の祈りがささげられています。あの日あの時、私は連れ合いの実家である大阪のマンションの16階で昼寝をしていましが、建物が左右に大きく揺れ、ドアがきしむ音に目を覚まし、すぐにテレビをつけました。29年前、学生時代に西宮で阪神大震災を経験し被災した私にとって、地震の恐怖は今なお体の奥深くに残っています。この寒い季節に家を失い、避難所や車中で眠れない夜を明かさなければならない苦痛、また生活再建への兆しが見えない不安をどれほど多くの方が抱えておられることかと思うと胸が痛くなります。三学期の始業式において、園児に向けて地震の話をしました。すると、その日の帰りに、ひとりの男の子が私に向かって、「石川県の地震・・・」と言うのです。ああ、今日の話をしっかり聞いてくれていたのだなと嬉しく思うと共に、連日テレビに映し出される被災地の状況を子どもながらに受け止めているのだなと感心させられました。

月主題は「わかちあう」、聖句は「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」です。難しいことですが、今ほどこの月主題と聖書の言葉を、単なるお飾りではなく自らの事柄として受け止め、実践していくことの大事さを思わずにはいられません。今年の神戸の「1.17希望の灯り」では、能登半島への思いも込めて「ともに」の文字が灯籠で浮かび上がりました。29年前、全国各地から大きな援助を受けて復興することが出来たから、今度は恩返しがしたいという思いからです。子育ても同じではないでしょうか。子どもの心に寄り添い、育ちを援助していくことが、どんな時にもぐらつかない人生の土台を築き、他者とともに喜びも悲しみもわかちあう生の原動力となっていくことでしょう。            (園長)