愛隣だより☆11月巻頭言☆
2019年11月6日 投稿者:愛隣幼稚園
少しずつ色を変えていく木々の美しさや空の高さなど、子どもたちの目にもはっきりと季節の移り変わりが感じられる日々です。二学期も後半に入り、子どもたちは心地よいこの季節を全力で楽しんでいます。
今月の主題は「共感する」です。その意味は、他者の考えに“全くその通りだと同感する”ことです。数年前に同じ主題について書いた際、「自分と同じような考えに同意するのなら、そう難しくないのではないか」と述べた記憶があります。その上で違う考えを認め合う大切さも述べたものですが、後日、読み返して、果たしてそうだろうか?と自分の言葉に疑問を持ったことを思い出します。
「共感する」という時、大切にされなければならないのは“相手の思い”です。目の前にいる相手の気持ちを一緒に感じることだと思うのです。理解できる、できないにかかわらず、相手の立場になって思いをくみとり、共に感じることです。とても難しいことかもしれません。けれども子どもたちは、友だちができるようになったことを自分のことのように一緒に喜びますし、誰かが泣いている時、そっとそばに立っていてくれます。泣いている原因を探るより先に、悲しいという思いに寄り添っているのです。相手の思いを理解することができれば次になすべき行動も見えてきます。また、子どもたちは遊びの中でいつも自分が主役です。でも、そこに同じように主役として遊んでいる友だちもいますから、一緒に遊ぶ世界を創るためには相手の思いを知り理解することが不可欠です。その中で新しい発想も生まれ、自分だけが中心の世界から一歩踏み出します。遊びの中で自然と共感することを学んでいるのです。忙しさに追われ、共感するようなふりをしてやり過ごしてしまうことが少なくないことを省みるものですが、子どもたちが今、何をどう感じているのか、一緒に感じていくことから始めたいと思います。(川畑)