愛隣だより☆7月巻頭言☆
2020年7月13日 投稿者:愛隣幼稚園
通常保育再開後、年長児の一人が満面の笑みを浮かべながら、「ああ、幼稚園始まって良かった。だって、ずっとお家にいるとお母さん怒りんぼなんだもん」と言った言葉を保護者会で紹介しました。それは決してそのお母さんが悪いわけではありません。子どもたちも動きたくて、うずうずしていたのです。ある日突然私たちを襲った不自由な生活に、子どもたちは大人以上に大きなストレスを感じていたのではないでしょうか。「ソーシャルディスタンス」(社会的距離)という言葉が頻繁に口にされるようになりました。しかし、この言葉が〝社会的分断〟をイメージさせるため、最近では「フィジカルディスタンス」(身体的距離)が推奨されているそうです。親子がいつまでも適切な身体的距離を確保できない〝べったり〟も、問題なのかもしれませんね。〝子どもとの距離感〟をどうとるのか。
このことは、子どもが思春期を経て大人になるまで、親にとっての難題なのでしょう。私は、この年長児の言葉に励まされると共に、確かな成長を感じ、うれしく思いました。なぜなら、その子が2年前の入園当初、母親から離れたくなくて泣いていたことを思い起こしたからです。
幼児期になると子どもは自分でやりたいことを見つけ、子ども同士で遊ぶようになります。「遊びこむ」(月主題)ようになるのです。そのようにして子どもの世界は広がっていきます。年齢にもよりますが、会いたかった仲間と久しぶりに再会し、一緒に遊ぶことを通して、楽しさを共感・共有する子どもたちの姿が見られます(「もう幼稚園終わり?まだ帰りたくない!」という声も)。そして、子どもが生き生きと好きなように遊びこむようになるのは、信頼できる大人が見守っていてくれている、受け止めてくれているという安心感からであり、それが自立の基礎になるのです。(園長)