愛隣幼稚園

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愛隣だより☆2022年12月巻頭言☆

職員室前に設置されたばかりのクリスマスツリーに数名の園児が近寄ってきて、「わあー、クリスマス」と目を輝かせながら見つめている姿が心に残りました。月主題に「喜びあふれて」とあるように、子どもたちにとってクリスマスは本当に嬉しい時なのですね。一方、私たち大人は、クリスマスよりサッカーW杯というところでしょうか。普段、サッカーにあまり興味がない人までテレビ観戦に夢中です。先日行われたコスタリカ戦の瞬間最高視聴率が53.8%だったことがそのことを表しています。なぜW杯に世界中の人々がこれほど熱狂するのかと考えさせられます。4年に一度の開催であり、出場権を獲得すること自体が難しいということがあります。さらにラグビーなどは格上の相手に勝つのが難しい競技と言われますが、サッカーは1点を争う競技なので、ジャイアントキリング(強大な巨人を打ち負かすこと)が起こりやすく、スカッとするからということもあるようです(私は阪神ファン)。それ以上に私は、ロシアによるウクライナ侵攻や、未だ終息の兆しが見えない感染症など、この世界が罪と闇に支配されていることが関係しているのではないかと思わされます。不透明感と閉塞感が強い時代であればあるほど、現実を忘れてサッカーの世界に没頭し、選手たちの闘いにモヤモヤした自分の気持ちを投影させ、相手を打ち負かすことによってカタルシス(ギリシャ語で「浄化」)を得たいという欲求が高まるからです。

4年に一度ではなく、毎年やって来るクリスマス。クリスマスは、私たちを救うためにイエス・キリストが世に来られたことを喜びあふれて祝う恵みの時です。熱狂的になるのではなく、一年の歩みを振り返りながら、心を静めてクリスマスを迎えたいものです。      (園長)