愛隣幼稚園

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愛隣だより☆2024年4月☆

進級・入学おめでとうございます。期待と不安が入り交じった新年度を迎えられたことでしょう。新しい歩みのうえに神さまの祝福を祈ります。我が子も大学入学のため、親元を離れ一人暮らしをはじめました。親としては、成長の喜びと共に心配と寂しさがこみ上げてきます。子どもの最後の入学式ということもあり、関西に出かけてきました。最近の大学は華々しい入学式が増えていますが、来年創立150周年を迎えるその大学はキリスト教主義を掲げていることもあり、厳かな雰囲気の礼拝形式で行われました。設立者Nは若い頃から好奇心旺盛で、学ぶことによって未知なる世界へと向かって行った人であったそうです。外国で学び、そこで得られた経験や知見を日本に持ち帰って、まず英学校を開設します。教育こそ人を変え、社会を変え、世界を変えるという信念が彼にはありました。当時の日本は富国強兵のスローガンのもと、国家に役立つ人間の大量生産を学校に求めました。つまり学校は鋳型の役割を期待されたのです。そのような時代にあってNは鋳型にはまらない自治自立の人物を生み出すために大学設立を目指します。自分の頭で考え、自分の足で立つことの出来る人物です。しかしその自治自立とは、自己中心ということでなく、強い意志をもった人間が良心を大切にし、他者のため、社会のために活躍することでありました。どんな人を育てたいか、育ってほしいかはとても大切なことです。同大学の入学式で、明治21年にNが記した「大学設立の旨意」が当時の言葉のまま朗読され、大学側の強い思いが新入生に伝えられたことに驚きました。米国の女性宣教師によって創立された本園も今年で115周年を迎えます。幼稚園は小学校から高校までの、ある意味では型にはめられた教育とは異なります。一人ひとりの個性が発揮され、本園が理想とする建学の精神に基づく人間へと成長していってほしいと願います。(園長)