愛隣だより☆2024年10月巻頭言☆
2025年3月31日 投稿者:愛隣幼稚園
今年は記録的な猛暑となり、予報では10月に入っても真夏日になるところがあり、秋を感じる時期が短くなるとのことです。運動会、サファリ遠足、芋掘りなど、行事が目白押しの月です。本来、「心はずませて」(月主題)戸外で活動するには良い季節のはずが、そうもいかないもどかしさを感じます。今月の聖句は、コヘレトの言葉から「ひとりよりもふたりが良い」が選ばれています。旧約聖書の知恵文学の一つで、「コヘレト」(集会の指導者の意)と呼ばれる一人の知者がこの書物を書きました。コヘレトの言葉は「なんという空しさ、すべては空しい」という言葉で始まります。終わりにも同じ言葉が繰り返されます。しかも、この書物では死について何度も繰り返され、12章で人間の死に行く姿を見つめて終わります。そのことからコヘレトを暗い厭世主義者だと考える人もいます(厭世の反対は楽天)。しかし、必ずしもそうではありません。
コヘレトの言葉は、戦争で国が疲弊し、先行きが見えない暗い状況の中で書かれました。「なんという空しさ」というような厭世観がにじみ出ているのは、そうした現実を踏まえているからとも言えます。同じような状況の中でダニエルという預言者は、やがて神の国が来るから、将来に対する希望をもって今を耐え抜けと語りましたが、コヘレトは死すべき人間としての人生の短さを見つめながら、今生きているのは神の賜物なのだから、今という時を十分に生きようではないかと語ります。そのうえで「ひとりよりもふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い」というふうに共生や連帯のすばらしさを教え、ひとりよりもふたり、ふたりよりも三人を、という共同体の形成を勧めています。そのつながりが、どんな時も、人が人として生きて行くために必要であり、園生活を通して日々与えられていることを感謝しつつ歩んで参りましょう。 (園長)


